十月十日(とつきとおか)、大事に育ててきたわが子を産んだ時の悦びは生涯忘れないほど大きいですよね。
大きな悦びと同時に大きな責任も負ったあの日から、何歳になっても子供に関する悩みは尽きません。
それが親というものなんでしょうけれど。
子供が大きくなるにつれ、教えなければいけないことも増えていきます。
教えなければならないこと=「しつけ」はいつから始めたらいいのでしょうか。
私は、産まれた時からしつけは始まっているのだと考えます。
赤ちゃんが泣くのは、それしか意志伝達手段がないから。
それをあやして、赤ちゃんをご機嫌にするのも、話しかけながらオムツを替えてあげるのも、全部しつけの一部だと考えます。
お散歩に行く時に、「風が気持ちいいね」とか「お日さまが暖かいね」とか声をかけるのも、赤ちゃんが実際に理解するしないに関わらず、大事なしつけの一部だと考えます。
子供に箸の練習をさせるのはいつからがいいでしょうか
では、具体的なこと、例えば箸の使い方などはいつから始めたらいいでしょうか。
子供によって差があるので、何歳からというのではなくて、「スプーンを鉛筆持ちで握ることができ、それで上手にご飯を食べることができるようになったら」というのを目安にした方が良いようです。
周りが練習を始めたからといって、焦って、スプーンも持てないのに始めてしまうと、失敗してしまうことがあります。
順手持ちだったのが逆手持ちになり、さらに逆手持ちで「親指・人差し指・中指」の3本でスプーンやフォークを持てるようになったら、お箸の練習を始めても良さそうです。
ただ、それより早くても、子供が興味を持てば持たせてあげていいと考えます。
子供は大人の真似をしたがるもの。
大人が使っている箸に興味を持つのは当然のことです。
振り回すと危ないので、そばについていることが絶対条件ですが、子供の興味は大きな成長の力となり、上達も早いので、こうやって使うんだよと教えてあげるのはありだと思います。
ただし、短気にならないこと。
うまく使えなくて当たり前なので、気長に根気よく教えるのが大切です。
子供の箸の長さはどのくらいがいいでしょうか
「一咫半(ひとあたはん)」という言葉を聞いたことはありませんか?
「一咫」とは、親指と人差し指を直角に広げた長さのこと。
その1.5倍である「一咫半」が、手に合った長さの箸ということになります。
年齢にもよりますが、子供用だと、だいたい13cm~14.5cmが「一咫半」になります。
実際にお店に行って、子供に選ばせるといいでしょう。
「自分専用のお箸」という意識が持て、大切にお箸を使ってくれます。
子供をしつける時に考えておきたいこと
例えば、お箸の練習を始める時には箸置きをセットで用意するなど、食事のトータル的なマナーを意識して始めると、食べ方の美しいお子さんに育ってくれると思います。
お箸を使わない時は、茶碗の上に渡すのではなく、箸置きの上に置くんだよと教えてあげることで、お子さんの食への意識が随分と変わってきます。
美しい食べ方は誰が見ても気持ちがいいですよね。
食器も、割ってしまうかもしれませんが、プラスチックではなく焼物を使うことで、土の温かみを知らず知らず覚えてくれるでしょうし、割ったら割ったで、形あるものはいつか土に還るのだということを伝えられると思います。
また、日本の伝統的な「いただきます」「ごちそうさま」もとても大切なしつけだと思います。
これからいただこうとするものに携わった全ての人(生産者・調理者・配膳者)と食材という命に感謝する言葉である「いただきます」と「ごちそうさま」は、食べ残しをしないお子さんに育つ、魔法の言葉だと思います。
家で食べる時だけでなく、外食するときも、ぜひ、「いただきます」「ごちそうさま」を言って、気持ちのいい習慣を広げて欲しいと思います。