湯船が広くて、壁には富士山が描かれていて、カコーンと湯おけの音が響き渡り、下町情緒が溢れだす……
銭湯というとそんなイメージが浮かびますが、若い人たちにも人気が出てきたようです。
ハイブリッドな「スーパー銭湯」ではなくて、昔からある「銭湯」がなぜ人気なのでしょうか。
そもそも、温泉との違いはなんでしょうか。
銭湯とは、その名の通り、「お湯を貸してお金を取る」人工的な公衆浴場です。
昔は「風呂屋」とも「湯屋」とも呼ばれました。
対して温泉とは、自然によって作られた、「自然から湧き出るお湯またはガス(温泉法第2条)」のことです。
難しいことをいうと、温泉法は環境省の管轄なのですが、銭湯は公衆浴場法により厚生労働省の管轄になります。
自然から湧き出たお湯であっても、一度貯湯槽に注入されると衛生管理という面から、銭湯と同じく厚生労働省の管轄になります。
ともかく、銭湯とは公衆浴場。
これを頭に入れておきましょう。
東京でも銭湯は安い!
日本の首都・東京の銭湯事情を見てみましょう。
銭湯(公衆浴場)の料金は、都道府県別に改定が行われているので、都道府県で料金が異なります。
東京は大人460円です。
一番安い長崎県だと350円なので、それと比べると高いようにみえますが、スーパー銭湯が1500円以上の入場料を取ることを考えると、破格値だと思います。
これでたっぷりのお湯に浸かれて、電気風呂やラドン湯にも浸かれて、場所によっては休憩スペースで漫画を読んだり、サウナに入ったり、お風呂上がりに生ビールをグッと飲んだりすることができます。
最高じゃないですか?
東京でおすすめしたい銭湯はここ!
銭湯初心者でも入りやすいところを選んでみました。
●清水湯(港区表参道、東京メトロ表参道駅より徒歩2分)
おしゃれにリニューアルされた、100年以上続く老舗の銭湯。
浴場のタイルは女湯はスペイン製、男湯はイタリア製。
高級ホテルでも使われているようなシャワーを導入したり、風呂上がりにベルギービールが飲めたり、駅近のラグジュアリーな空間がたったの460円で味わえてしまいます。
●文化浴泉(目黒区東山、東急田園都市線池尻大橋駅徒歩5分)
昭和3年(1928年)開業の、商店街の中に位置するこの銭湯は「nano湯」というナノバブルバスを使用しています。
手ぶらでも行けるように、「手ぶらセット(550円)」があり、入浴料・小タオル・石鹸・シャンプーが付いています。
●ふくの湯(文京区千駄木、東京メトロ本駒入駅より徒歩5分)
昭和47年創業の江戸情緒あふれる、温泉旅館のような銭湯。 浴室には真っ赤な富士山がペインティングされています。
シャンプーとボディソープが備え付けてあるので、タオル1枚で来れるのと、ドライヤーが無料で使えるのが嬉しいところです。
●立川湯屋敷 梅の湯(立川市、JR立川駅徒歩7分)
創業75年の老舗。10年ほど前に建て替えた際に、休憩室の漫画を充実させ、現在その数1万冊以上。
レンタルタオルセットがあり、手ぶらで来ることができるのが嬉しいところ。
また電気風呂、座風呂、露天風呂などお風呂の種類も銭湯とは思えないほど充実。
たまには銭湯で開放的な気分を味わおう
銭湯(公衆浴場)といっても、温泉を引いているところもありますし、リニューアルされてデザイナーズ空間になっていたり、逆に創業時の姿そのままで営業されていて趣があったりと、侮れません。
自宅のお風呂よりは確実に広い浴槽なわけですし、東京都内だと約562軒の銭湯がありますから、自分に合った銭湯にもきっと出会えます。
なんでも揃っているスーパー銭湯も確かにいいけれど、昔からあって地元の人たちに愛されてきた銭湯の雰囲気というか空気は温かく、番台のおじさん・おばさんたちは人情に溢れています。
寒い冬、身体の芯まで温めるついでに心も温めに、銭湯へ行ってみませんか?