OL、という呼び方は古いのかもしれませんね。
働く女性のカバンの中身はどうなっているのだろう、ですね。
財布、スマホ、化粧ポーチ、折り畳み傘、ペットボトル……色々入っていそうですが、大阪のOLのカバンの中にはあるお菓子が入っています。
「飴ちゃん」と親しみを込めて呼ばれるもの。
飴。キャンディ。
全員とはいかないまでも、半数以上は確実に持っています。
おばちゃん、おばあちゃんにに至ると保有率はさらに上がります。
そしてしばしば、飴ちゃんはお裾分けされます。
時には全く知らない人からも。
なぜ、なのでしょう。
大阪には飴のメーカーが集まっている
飴を身近に感じ、OLも含めて携帯する人が多いのはどうしてなのか。
歴史を遡ること江戸時代。
天下の台所と言われていた大阪には、諸国から食べ物が集まっていました。
その中に飴の原料である砂糖や水飴もありました。
現在の大阪市平野区で作られた「摂州平野飴」が大阪名物として、『日本山海名物図会』という本で紹介されています。
「風味よし、小児に用ひて毒なし」と解説され、イラストも付いていたといいますから、飴づくりが盛んだったことが伺えます。
現在でも、大阪市内にはパインアメで有名な「パイン株式会社」や創業明治5年で、なにわ伝統野菜である勝間南瓜や天王寺かぶらなどを飴にした「豊下製菓」、全国区の「UHA味覚糖」、はちみつだけで作った飴が有名な「扇雀飴本舗」など飴専業のメーカーが多く存在しています。
レジの横に飴を置いている飲食店や美容院もたくさんあります。
帰りに食べていってや、なんですね。
江戸時代から飴づくりが盛んだった大阪の土地と、昔からサービス精神が旺盛だった大阪人と、おすそ分けする文化とが融合して、飴ちゃんを携帯することに繋がっているのでしょう。
もうひとつの理由は、「非常食として便利」ということです。
今年は超大型台風が来襲したり、地震が起きたりと自然災害が大阪で相次ぎました。
電車に長時間閉じ込められる人が多かったですし、地震後スーパーの棚は空っぽになりました。
非常事態に備えて、飴を持っているという人が増えたように思います。
いざという時でも、手軽に糖分を補給できますし、塩飴などは夏の熱中症対策にもなります。
持ち運びしてもかさばらず、軽いというのもいいですよね。
大阪の飴ちゃんをお土産にしてはいかがですか
もはや大阪の文化と言ってもいい、飴ちゃん文化。
個包装されているものが多いのでお土産で配るのにも適しています。
パインアメで有名なパイン株式会社では、缶入りのパインアメを販売しています。
長期保存もでき、非常食として備えるのもありです。
豊下製菓の「なにわの伝統飴野菜」は、形もそれぞれの野菜そっくりなので見ても楽しい飴です。
それぞれの野菜の味もほのかに感じられ、健康に良さそうと感じる飴でもあります。
可愛いものでは、創業大正8年の長崎堂の「クリスタルボンボン」がおすすめ。
大正浪漫を思わせるレトロでロマンチックな缶に、アニゼット・マラスキーノ・コアントローの3つのリキュールを使った、コロコロと丸いキャンディーがとても映えます。
創業明治28年の菊の露本舗喜多林堂の「有平糖」はちょっと改まった時におすすめ。
何種類かありますが、レトロな丸缶、化粧箱入の「有平糖 山椒飴」が変り種です。
風味豊かな粉山椒が讃岐和三盆糖と絶妙のハーモニーを味わえます。
カバンの中と言わず、ポケットにも飴ちゃん
飴ちゃん専用のポーチが売られていたり、好きな人は手作りしたりするほど、飴ちゃん文化が根付いている大阪。
カバンの中と言わず、ポケットからも「はい、どうぞ」と飴ちゃんが出てきます。
泣いていた子が泣き止んだりしますから、飴ちゃんコミュニケーションがこれからも続いて欲しい、全国に広まって欲しいなと願う次第です。