和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社では来年の干支「亥」をあしらった大絵馬が完成し、奉納されました。
白いイノシシが、大社のご神木であるナギの枝を加え、2匹のウリ坊を携えている様はどこか温かさを感じます。
絵から、このイノシシはお母さんなのかな、母性豊かなんだろうなと想像しましたが、亥年の人の性格の特徴ってあるんでしょうか。
調べてみると、亥年の人は「自我をしっかり持っている」「意志が強い」のが特徴のようです。
また、「なにごとに対しても自信に溢れた態度で接することができる指導者タイプ」であり、どんな時にもリーダーシップを失いません。
野生のイノシシは、子どもを含め一族郎党を率いて走る時、ボスイノシシが尻尾をピンと垂直に立て、旗印にして走るそうです。
「俺について来い!」
こんな感じでしょうか。
時にはその強さが、直情径行として現れ、周囲との摩擦を生むこともあるようです。
性格が激しく旺盛であるように、愛情面にもタフさを持っていて、情愛のある、家庭思いであるのが亥年の人です。
絵馬から受け取った情愛も、あながち間違いではなかったようです。
そもそも十二支の意味とは?
「ね・うし・とら・・・」
当たり前のように使っていますが、そもそもどこから十二支は来たのでしょうか。
十二支は、古代中国の天文学に基づいています。
太陽系の5つの惑星の中で最も重要とされる木星の運行を12に区分したことが始まりとされています。
木星を重視したとは面白いですね。
区分した12をやがて月の呼び名として使用するようになり、方角や時刻にも当てはめるようになりました。
「神様が、早く着いたものから年の名前にしてあげると言ったから、競争した」という昔話がありますが、十二支の動物に実は意味はなく、学者ではなく庶民に分かりやすくするために、後付けで身近な動物を割り当てたのです。
それぞれ各月に身近な動物の名前が付けられたと伝えられています。
イノシシは、その肉が万病に効く食べ物として信じられており、無病息災の象徴でした。
来年の干支、己亥(つちのとい)は、どんな年?
干支を決める際には、十二支の他に「十干」も用います。
ベースには陰陽五行説があります。
「十干」とは十進法の考え方で、1ヶ月を「上旬・中旬・下旬」と10日ごとに3分割して、それぞれ1日目から「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類で数えます。
十干と十二支とを組み合わせて、日付を表すための符号としたのです。
例えば、「壬申の乱」とか「戊辰戦争」、「阪神甲子園球場」など歴史上の出来事や建物名にも用いられています。
前回、2007年の亥年の時は「丁亥(ひのとい)」でした。
今回は「己(つちのと)」と組み合わさって「己亥」となります。
十干と十二支とは組み合わせによってお互いを強め合ったり、反対に弱め合ったりします。
「己」は、繁栄したものを統制する意味。
「亥」は生命が閉じ込められた状態。
なので、「己亥」の年は、「今現在の状況を維持し、守りに徹した方が良い」と言われています。
亥年には「次のステージに向けた準備期間」「無病息災の年」といった意味合いもありますので、新しいことに取り組むのはちょっと待って、大人しく準備に徹しましょうということなのでしょう。
来年の干支はイノシシ。猪突猛進にならないようにご注意
イノシシというと、真っ先に浮かぶ四文字熟語が「猪突猛進」ですよね。
「猪突猛進」とは、周囲の人のことや状況を考えずに、一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと。
リーダー格の亥年の人は、芯をしっかり持っているのですから、時が満つるのをじっと待つように心がけましょう。
突進する気概があるならば、その場にとどまる勇気も持っているはずです